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2024中途採用最前線!狙い目の業種はどれだ??

公開日2024/07/08 17:38:15

中途採用における必要な人数の確保状況

昨年度の中途採用状況は企業側の惨敗。
上手く採用できた企業は39.2%に留まり、採用できなかった企業は58.5%と、約6割の企業が採りたい人材を確保できなかったことになる。
業種別に見てもほぼすべての業種で人材の確保ができておらず、特に医療福祉系で-34.8%、飲食宿泊系では-33.9%と採用目標を大きく下回る結果となった。

■中途採用における必要な人数の確保状況 経年比較
■中途採用D.I.(「確保できた-確保できなかった」) 経年比較

求人はある。山ほどある。
しかし選びたい。
できることなら少しでも条件の良いところを選びたいし、いざ応募したならスカッと内定したいもんだ。

採用難が恒久化している昨今においては、内定のハードルが低い企業がブラック企業というわけでもない。
そこで今回は2024年の狙い目の業種を考えてみよう。

中途採用の状況と展望───重要なものは何か

皆さんは求人を探しながら業界研究をしたり、自己分析をして自分の棚卸を進める訳だが、応募に際して結構大きな壁は「経験のある無し」かもしれない。

大半の皆さんは未経験業種への応募も検討するだろう。
未経験求人の見極め方として、「未経験者歓迎」「未経験者可」「経験者優遇(未経験者も可)」といった見出しを目にすることがあると思うが、2つ目と3つ目は正直申し上げて、あなたを心から歓迎していない。
「未経験者大歓迎!」くらい書いてあるとそれは信じてよいかもしれない。

重要なことは2つ。
「この先も中途採用の勢いは続くのか?」ということ、もう1つは「未経験者採用(異業種からの採用)に積極的かどうか?」という点。
就職活動中の皆さんにとってはとても重要なことだ。

中途採用見通しの「増える-減る」の経年比較

2024年度の中途採用の見通しは「減る」が4.0%、「増える」が22.4%で、全体では18.4%の勢いで「増える」。
過去最高値で増え続けているし、この流れはこの先も変わらないだろう。
安心してください、続きますよ。

業種別 2024年度中途採用見通し

社数増える変わらない減るわからない以前も
今後も
採用しない
無回答「増える-減る」
( %ポイント)
全体430622.4%39.0%4.0%31.0%3.6%0.00%+18.4
建設業39717.9%49.4%3.5%26.2%3.0%0.00%+14.4
製造業(機械以外)76621.3%34.1%4.6%37.6%2.5%0.00%+16.7
機械器具製造業58923.3%40.7%5.9%28.9%1.2%0.00%+17.4
※電気・ガス・熱供給・水道業3716.2%32.4%2.7%40.5%8.1%0.00%+13.5
情報通信業33621.4%45.8%3.0%25.6%4.2%0.00%+18.4
運輸業35130.8%32.5%4.8%28.5%3.4%0.00%+26.0
卸売業35022.9%32.9%2.9%35.4%6.0%0.00%+20.0
小売業34527.5%40.6%3.2%23.2%5.5%0.00%+24.3
金融・保険業21021.4%33.3%1.9%40.5%2.9%0.00%+19.5
不動産業※6825.0%38.2%1.5%33.8%1.5%0.00%+23.5
飲食店・宿泊業15235.5%31.6%2.6%24.3%5.9%0.00%+32.9
医療・福祉26810.1%51.5%4.5%31.3%2.6%0.00%+5.6
教育・学習支援業※7913.9%36.7%2.5%40.5%6.3%0.00%+11.4
サービス業(他に分類されないもの)31723.0%37.2%5.0%30.6%4.1%0.00%+18.0

(註:※は回答者数が少ないため参考値として記載しています)

業種別中分類で見ても、すべての業種において中途採用意欲が高いことがわかる。
特に「増える」が「減る」を大きく上回っているのは、飲食店・宿泊業(+32.9%ポイント)、運輸業(+26.0%ポイント)、小売業(+24.3%ポイント)で、いずれも人材不足が目立つ業種であり、引き続き中途採用に意欲的であることがわかる。

中途採用に対して意欲的なことはわかった。では、未経験者採用(異業種からの採用)はどうか?

異業種・異職種採用を実施・予定している企業の割合と、前年比較

業界の未経験者(異業種の経験者や未経験者)の中途採用について「既に取り組んでいる」企業は31.9%、「今後取り組む予定である」企業は18.0%となり、合わせて49.9%の企業が中途採用を実施、もしくは予定していることがわかる。昨年から+6.6%ポイントの増加であり、その数は半数に迫っている。
業種別に見ると、「既に取り組んでいる」または「今後取り組む予定である」企業の割合は、飲食店・宿泊業(66.5%)、運輸業(61.2%)、医療・福祉(56.7%)、小売業(54.8%)、建設業(51.6%)で非常に高く、人手不足の業種ではさらに積極的に中途採用を行っていることがわかる。

従業員規模についても、大手・中小問わず取り組みは積極的に進んでおり、特に中小企業の伸び率が高い。
最後にまとめてみよう。中途採用で未経験者採用(異業種からの採用)の狙い目は、「建設業」「運輸業」「飲食店・宿泊業」「医療・福祉」の業種ということになる。
この業種群は、中途採用に非常に意欲的で、未経験や異業種からの応募を積極的に受け入れている。

就活を進める際の指針としてぜひ活用していただきたい。
健闘を祈る!

【統計出典】
リクルートワークス研究所
中途採用実態調査(2023年度上半期実績・2024年度見通し 正規社員)

writer:桐原 清武
厚生労働省認定キャリアコンサルタント。株式会社リクルートでキャリア開発に携わる。専門は人材採用・育成。人事担当者と求職者のカウンセリングは通算10,000回を超える。

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